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Linux環境設定な日々

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2005-11-18(Fri) [長年日記]

_ 学力を問い直す(佐藤学)

学力を問い直す

ちょっと古い本(2001年)なんだけど、いま一度「学力」とは何か考えてみるときに、役に立つ。

OECDのPISA調査の結果が出る前に、「学力の質が問題だ」という考えていることが重要。さらに、佐藤さんによると、学力がどうこうと言うよりは、子どもたちが「勉強が嫌いになり、勉強しなくなっていること」つまり「学びからの逃走」のほうが深刻なのである。

もうひとつは、「習熟度別指導」に関連して、「公立学校の役割」について。

公立学校は教科を学ぶ所であるだけでなく、多様な考え方や個性を学ぶ所であり、多様な能力や個性をもった人とともに生きる民主主義を学ぶ場所なのです。

文部科学省は、なるべくお金をかけないように「少人数指導」をしようとするので、学級数(教室の数)は増えないまま、臨時採用の教員が増えていったり、大学生のボランティアを導入したり、地域のお年寄りをゲスト・ティーチャーにして、「その場しのぎ」をするので、現場は、よけいに時間が足りなくなるのである。効果的な学習を組み立てようとすると、その前後に打ち合わせをしないといけないからだ。

で、教師が増えるのならまだマシ。教師の数を増やさずに、少人数指導をしろ、と言うから話はさらに大変になるのだ。

「習熟度別指導」を導入しても、教師が増えなければ、組織が煩雑になるだけで、かえって指導に困難が生じてしまうからです。

Tags: book

_ 小学生でなぜ英語?(大津由紀夫・鳥飼玖美子)

1年生の担任をしたことがある人なら、わかると思うんだけど、 入学する前にむちゃくちゃな文字指導を経験してきた子どもの 「変な癖」を直すのに、どれだけ苦労するかってこと。

それと同じことを、ワタシたちは「英語」でやろうとしてるんじゃないかな。

で、この本によれば、「早く始めるほどよい」というのは幻想に過ぎないのである。子どもたちは、英語を外国語として学ぶのである。赤ん坊が自然に言葉を獲得するのとは全然違う道筋をたどるのは当然だ。

日本語でロクに議論もできないで、何が英語でコミュニケーションだよ。 まずは、きちんと「母語」を身につけることが重要だという。全くその通りだと思います。

限られた予算を小学校にまで広げて薄く広く配分するよりは、現行のカリキュラムを抜本的に改革し、中学にこそ予算を集中的に投入し、十分な授業時間と、優秀な教員という人的資源を確保するべきでしょう。なんでもかんでもALT(外国語指導助手)頼みでなく、日本人教員の海外研修制度を充実させ、異文化コミュニケーションの実体験を有する教師を増やし、正確にしてわかりやすい英語を話す土台となる音声教育の専門家を各校に配置するなどの工夫をすれば、中学3年間で日常の簡単な会話くらいは可能になります。

現場にいると、↑こういう「予算」とか「人員」とかいう話には、「そうだ!そうだ!」と言いたくなるです。

おまけですが、こういうクイズ(?)が載ってました。

日本語に訳せ
The boy the woman the man the girl loved kissed hated left.
Tags: book
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